うちの教授の話である。
うちの教授はなにかと学生の邪魔をする。というか嫌味を言いにくる。まったく生産的ではない教授だ。特に4年生のうちの一人、仮に小林さんとでもしておこう、に対しての絡み具合が尋常ではない。恋心を抱いているんじゃないかと思うくらいだ。もしそうならば、好きな子にいたずらしたいという心理は、むしろ小学生並である(かくいう朕も、そういう傾向があるようだ)。ちなみに小林さんは女であるから、その点だけは安心していいようだ。
さて、小林さんはとにかくカップ麺が好きだ。いや、好きなのか、単にケチっているだけなのかは定かではないが、とにかくすごい頻度で食べている。研究室の小林さんの勉強机には、常にカップ麺のストックが置いてある。ちなみに、お気に入りは、やきそば弁当のチョイ辛のようである。
そんなカップ麺ばかり食べている小林さんに向かって、うちの教授は言う。
「まぁ~たそんなもの食べて。どうしようもないやつだな」
かくいう教授、土日などの、奥さんにお弁当を作ってもらえない日は、大学近くのスーパーで昼食なり夕食なりを買ってくるのだが、その代物の中にはほぼ確実にカップ麺が混ざっている。なんという、棚上げ。
そのことを知る小林さん、一度教授に向かって言ってみたそうだ。あなたもカップ麺を食べているではないか!なんという棚上げ!人の振り見て我が振り直せ!と。もちろん、もっとやんわりとした言い方ではある。
うちの研究室は主に生き物を扱っている。生き物の交尾に関するテーマは、うちの主軸であると言ってもいい。そんな生物屋の教授、このクレームにどう答えたのか。
「僕はもう繁殖できないし、次世代に貢献できないから、質が悪くなってもいいんだよ」
教授が男を捨てた瞬間であった。あるいは脱浮気宣言である。